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解説―レニー・アンドラーヂ50年のキャリア―

ケペル木村 (MPB/中南米音楽)

レニー・アンドラーヂはブラジルを代表するジャズ&ボサノヴァの女性歌手だ。1961年のアルバムデビュー以来、約50年間にわたりブラジルの音楽シーンの第一線を歩んできたアーチストとしてとても存在価値は高く、レニーの豊かな表現力と大きな包容力は他の誰も超えることは出来ない。

1943年1月25日にレニー・アンドラーヂは音楽の都リオ・デ・ジャネイロに生まれた。音楽との出合いは、彼女が6歳の時にピアノを習うことから始まり、その後ラジオのコンクール番組で優秀賞を獲得し、正式に音楽学校で勉強することになる。

そしてプロ歌手として15歳の時にはペルミニオ・ゴンサルヴェスのオーケストラとの共演でデビューを飾った。その頃はアメリカの人気男性歌手であるフランク・シナトラのようなクールなスタイルで歌うことが流行しており、そういう歌い方でうたうシンガーたちは「クルーナー」と呼ばれていた。レニーも一時共演したことのあるブラジルの男性歌手でピアニストのディック・ファルネイも、ブラジルのクルーナーとして人気を博していたが、レニーも当時は同じスタイルで歌っていた。


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